Yumi Ito Japanese

ファッションデザイナー兼テキスタイルアーティスト
2018年5月1日から5月31日まで

計画 ーザ・プランー

ゆみの当初の計画はアイザック・ティッシン(日本のVOCチーフ)の研究のためアムステルダムを訪れ、文字の視覚化に関するワークショップを行いながら彼女のアートプロジェクトに取り組むことでした。ゆみが出島AIRに興味を抱いた時、彼女は出島の歴史と人々についてより深く知りたいと思ったことをきっかけに、日蘭の文化的相互作用を探す事から研究をはじめました。

ビジュアル・レター・ワークショップ

ゆみは前回のオランダ訪問時、アムステルダム国立美術館(ライクス・ミュージアム)のアーカイブを調査し18世紀の日本の大名である楠木正綱と東インド会社の高官を務めたアイザック・ティッシンとの通信(手紙)の記録に着目しました。ゆみはこの二者間の通信の記録にインスピレーションを受けこれらをテーマにアートプロジェクトを企画する事にしました。

日本の鎖国中に交わされた楠木正綱とアイザック・ティッシンとの通信(手紙)は日蘭の異なる文化的要素が含まれておりビジネスレター以上のものであったことがゆみの興味を膨らませました。彼女はメッセージがどのように作られ、どのように伝えられるのか、文化、時代と地域の違いが影響を与えるコミュニケーションの相違について掘り下げました。

これらの研究はゆみのワークショップの企画の大きなテーマとインスピレーションとなりました。

祝福

5月の出島AIRプログラムに参加したゆみは出島AIRの活躍と日蘭協会の創立60周年を祝福する意味でいくつかの美しいアートドレスを創作しました。日本の「祭り」を意識した祝福パーティーはホテルオークラ・アムステルダムで開催されました。日本の商店をテーマとしたイベントは出島AIRが主催しました。ゆみはAIRプログラムの一貫として作品を創作しそれらが展示されました。


祝福パーティーの日はとても賑やかで私たちは多くの魅力的なゲストたちと出会いました。

ゆみからの最後のメッセージ

「ー私は2018年5月に出島AIRに参加しました。アムステルダムに訪れる前に日蘭の2カ国間における歴史的関係や背景についてのリサーチを行いました。オランダの様々な場所を訪れ得ることができた人々との出会いは私の活動にインスピレーションを与えてくれました。オランダでの経験はその全てが特別なものでしたが、現地の方々とワークショップを開催し、その過程でお互いのクリエイティブなアイデアを共有できたことがプロジェクトの中で一番楽しかったです。ー」

ゆみさん、ありがとうございます。いつかまたお会いできる事を心から願っています。

橋本 瞳

東京生まれのジュエリーデザイナー
3月1日から3月31日まで

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科金工専攻 卒業
東京芸術大学工芸専攻鋳金研究分野 修了

ひとみは武蔵野美術大学でジュエリーと金属加工を、そして東京芸術大学にて鋳金を学びました。2009年、彼女は第48回日本工芸デザインコンペティションにて特別審査委員賞を受賞しました。さらに、2014年には東京スパイラルインディペンデントクリエーターズフェスティバル青山にて特別審査委員賞を受賞。彼女はジュdaエリーデザイナーおよびアーティストとしての活躍に加え、東京の芸術大学にて非常勤アシスタントを務めています。


 知識の共有

オランダの学生と知識を共有するためにひとみはGerrit Rietveld Academy のjewelry-linking bodies部門のワークショップに招待されました。

Gerrit Rietveld Academyは、アムステルダムにあるオランダで最も有名で国際的なアートアカデミーの1つです。ひとみは生徒たちと協力して、石膏、シリコン、スズを使った彼女の体験についての洞察を提供しました。

ひとみはこのようなコメントを残しました:

「この経験はアムステルダムでの滞在の内、重要な経験の一つでした。新型ウィルスに伴う状況が急速に変化する中、ワークショップを開催しあらゆる課題を乗り越えたことで自信を得られ、その経験と学びは今後の私のキャリアとメンタリティにとってとても実りの多いものになるでしょう。」

ザ・インターナショナル・ハンマークラブ

ひとみはスコーンホーフェンのシルバー美術館に招待を受け彼女の作品を展示する機会を得ました。国際ハンマークラブ展は主に銀細工をテーマに焦点を当てた展示会でした。彼女の銀細工の作品のほとんどが日本に残されていたにも関わらず、ひとみによる金属細工がとても美しい事から展示会に出展する事になりました。

Deshima AIRとアトリエ・パッシ(ポール・ド・フリース)は、3月の最後の週末にひとみの作品展を開催する取り組みをはじめましたが、新型ウィルスの影響を受け開催することができませんでした。ひとみは「VakschoolSieradenSchoonhoven 125周年」記念するイベントにて彼女の作品について講演するよう招待をされていましたが、残念ながらこれらのイベントも中止となりました。

足早いお別れ

新型ウィルスの影響を受けひとみのオランダでの滞在は短かったものの濃く充実したものとなりました。彼女が東京へと旅立った後も私たちは連絡を取り合いました。連絡を取り合う中でひとみはオランダでの滞在が有意義であったこと、そして帰国後、自宅で読書や映画を楽しみながら休息をしつつ彼女の次の冒険に備えていることを話してくれました。ひとみさん、この度はありがとうございました。近い未来、またお会いできることを心から願っています。

Yumi Ito

Stay from the 1st of May till the 31st of May 2018.

Yumi Ito is a fashion designer and textile artist from Japan, living in London.
She wanted to make dresses ‘visual letters’ about the close friendship correspondence from the 18th century between the Japanese Masatsuna Kutsuki, a hereditary Japanese daimyo, and the Dutch Isaac Titsingh, senior official of the East India Company.

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